精神障害で障害年金を請求した経緯

こんにちは、閲覧ありがとうございます。
この頁を見てくださってる方の中にも鬱病など患った方がいらっしゃるのではないでしょうか。
私は十年以上精神病を患っております。
(診断名は医師によって違い、鬱病統合失調症アスペルガーADHD解離性障害等です)
そんな私が、障害年金を請求した際に起こった全ての事を、ここで告白致します。
事が事なので、少々感情的な文章になるかもしれません。
読んでくださっている方の中にもし精神障害について何らかの偏見を持っているとしたら、この先には進まないことを推奨いたします。

 

宜しいでしょうか。

 

それでは、始めたいと思います。
だいぶ長くなるので、お時間のある時に目を通すことをお勧めして、先に進みます。

 

始まりは同じく精神を患っている友人の一言でした。

「お前は、障害年金貰えるレベルなんじゃないの?」

不勉強ですみませんが、私は精神障害で年金がもらえるということをその時初めて知りました。
(私が不勉強なのか、単に周知されていないのかは不明ですが)
以前勤めていた会社を解雇されてから、五年以上働けていない私は金銭的にも困っており、恥ずかしながら父親のすねをかじっている状態だったので、少しは父の負担を減らせるかもしれないと思いました。
その会話の後、精神科の先生に障害年金を請求したいという申し出をしました。
その時に言われたのは、ざっくりこのようなことでした。

「少し前なら僕の方から薦めていたと思う。
 でも、今不正受給のせいで自治体は凄く厳しくなっている。
 一人で病院に通えているというだけで落とされることもある。
 年金請求の診断書代は、一万円以上かかるから、あまりお勧めできない。
 勿論、やるならば診断書は書くけれど」

そう告げられました。
私にとって幸運だったのは、理解のある医師がいたことでしょう。
医師によっては、断られることもざらにあるようです。
(勿論、それなりの理由があるのでしょうが)

加えて、私の今住んでるところは、不支給率がワースト3に入るという話を聞きました。
貰える可能性は低いだろうな、それが私の最初に抱いたイメージでした。

一万は痛いなと思いつつ、とりあえず申し込むことにしました。
(だいぶ色々な葛藤はありましたが、割愛させて頂きます)
そして、私の年金事務所通いと書類集めに奔走する日々が始まりました。

まず、年金事務所に電話すると、一度窓口に来いということでした。
その際電話で病歴を聞かれ、初診日はどこなのかという話をします。
私の場合、転院が異常に多く、全てを話すことはなかなか難儀でした。
この初診日というのは、大変厄介な代物です。
「初めて心療内科や精神科にかかった日」では無く、「初めて精神系の薬を処方された日」です。
内科で抗不安薬睡眠導入剤を処方されていたとしたら、そこが起点になります。
私の場合は、18歳の頃通っていた内科まで遡らなければなりませんでした。
初めて抗不安薬デパス)と眠剤ハルシオン、他)を処方して貰ったのが、そこだったからです。
そして、初診日を確定した上で、受信状況等証明書を病院に頼まなければいけません。
その病院のカルテが残っていなければ、次の病院で。
そこもダメならば、更に次の病院で、という説明をされました。

初回の窓口は、「これを書いて貰って、そしたらまた来てください」と書類を渡されて終わりでした。
時間にして五~十分程でしょうか。
正直、郵便と電話で済んだ話だったのでは無いかと思いました。
(段階を踏むのが悪いとは言いませんが、外に出るのが非常に苦痛な状態なのです)

私の場合、内科1→内科2→心療内科1→以下略……という流れだったのですが、ここで問題が起きます。
内科1はだいぶ昔に閉院してしまっています。
内科2はカルテが残っていません。
よって、三番目の心療内科でカルテが残っているとのことでしたので、そこにお願いしました。

心療内科で書いてもらったら、再度年金事務所へ行きます。
すると、ここでいくつかの書類を渡されます。
・現在の医師に書いてもらう診断書
・病歴・就労状況等申立書(初診日~現在の状況を書く書類)
・年金請求書
主にこの三つです。

年金請求書については、記入方法が分からないところが多く、最終的に半分ほど空欄で持っていきました。
(間違えると訂正印だらけになるので、これから請求する方は提出時に窓口で確認しながら記入することをお勧めします)

診断書は、現在の病院に持っていきました。

ここで記入が大変なものが、病歴・就労状況等申立書です。
私の場合、転院した八つの病院の事をそれぞれ詳細に書かねばならず、精神を患っている者としてはかなり労力を使いました。
昔の嫌な記憶も掘り起こさなくてはなりません。
「通院していた期間」「その頃の病状」「就労状況」「通院の間隔」「転院の理由」主にこの五つを詳細に書きます。
(転院の理由として、精神科医に「社会不適合者」と罵られたことも書きました)
期間が正しく分からなければ、病院に問い合わせたりもしました。
正直この作業が一番辛かったです。
精神を病んでいる方が、こういった手続きを専門家に依頼するのも頷けます。

例えば(以下、私の書いた文章そのままです)

*****

○○病院 平成○○年○月~平成○○年○月まで

不安・抑うつ・めまい・強迫観念・幻覚・胃痛・過食が引き続きある。
体がだるく引きこもる状態が続く。外出は病院だけ。外に出ると周囲から笑われているようで不快。
ぐるぐると昔のことを思い出し、何故もっと早く死を選ばなかったのかと自分の死について毎日考える。
就労意欲は沸かず、家に居てもベランダに行くと飛び降りたくなるので極力近づかない。
2~4週に一度通院。投薬・カウンセリング治療を受ける。
父の転勤により、転院。

*****

……といった感じです。
病院と病院の間が空いている場合ですが、それも一つの項目として「引越しのため、○○病院で貰った薬を服用」等書きます。

この書類の裏面には、障害認定日と現在に分けて、就労状況と日常生活の簡単なチェックがあります。
入浴・着替え・トイレ・散歩・買物・洗濯等四段階で自発的に出来るかどうか等を記入します。
障害認定日というのは、初診日から1年6か月目の状況(又は、それ以前に治った場合は治った日)のことです。
私は20歳以前の発症だったので、20歳時のことを書くように言われました。

診断書については、医師の言葉なので割愛させて頂きます。
ただ、診断名は「うつ病」です、とだけ。

ここまで全ての記入ですが、公的文書なので略字等は使ってはいけません。

以上で年金事務所に持っていく準備が整いました。

かかった最低限の経費(税込)は
・受信状況等証明書(最初の病院) 2160円
・診断書(現在の病院) 12960円
です。

そして、年金事務所で窓口の方に提出前の最終確認をして貰います。
問題が無ければ、ここで終わりです。

が。
私の場合、初診日が不明なままです。
提出した際、初診日が不明だと少しむずかしいかもしれないと言われました。
しかし、その時点でどうしようもなかったので、そのまま提出しました。

結果。
一月と少しで、封書が届きました。
却下決定通知書でした。
一枚のペラ紙に「初診日を確認することができないため」とだけ書いてありました。
(下の方に、この決定が不服な場合~ということもありましたが、それは後ほど語ります)

は?と私は目を疑いました。
現状の病気を重視するのが当たり前のことなんじゃないだろうかと私は思っていました。
しかし、それこそ間違いだったのです。

少し難しいどころのことじゃないんです。
初診日が不明だと、下りないんです。

カルテが残っていない、閉院している。
そんなの、私のせいですか?
それだけ長く患った人ほど、障害年金の受給要件を満たさないというのですか?
そんな怒りが沸きました。
既に年金事務所に行き初めて四か月を超えたくらいの労力と経費は無駄になりました。
その間も、年金は支払い続けているのです。

どうしても納得がいかず、年金事務所ではないもっと上の人にどういうことなのか確認したくなりました。
まず年金ダイヤルに電話をしました。
すると、「年金事務所に聞いてください」とだけ返されました。
何の役にも立ちませんでした。

次に行政相談窓口に連絡しました。
すると、現状を確認したいからと年金番号を聞かれました。
一旦電話を切ると、数十分後に今住んでいる自治体から連絡が来ました。
私がことの経緯を話すと「追加書類を出すと、通る場合がありますので、そういう対処をしてください」だそう。
追加書類の雛型を郵送して貰おうと、年金事務所に電話をすると、何故か折り返しになり、かかってきた電話でこう言われました。
(この時の追加書類とは、初診日を第三者が証明する、という書類でした)

「あなたのこの件は、既に処理が終わった案件なので、送ることは出来ません」

はい?
終わった案件。
私にとって何も終わっていませんが。
自治体の人からそう言われた旨を言っても、できませんの一点張り。
挙句の果てには「不服な場合、再審査請求出来ますので、一度年金事務所に来られてはいかがですか?」。
決定にあまり納得なさっていないようなので、と言われましたが、納得できる訳ありません。

因みに、時間の関係で次の日に、自治体の方へ電話をしたら、別の職員の方が出て、こう言いました。
こちらの職員の言い分が間違っていた、というクレームということですか?」
違う、そうじゃない。
クレームはクレームかもしれないけど、そんな便利な言葉で片付けないでほしいんです。
その上で、この先こちらに電話されても、これ以上の干渉も出来ないので、後は年金事務所で、の一点張り。
年金ダイヤルと同レベルです。

初診日証明は、法律で決まっているんです。
他にも同じ理由でお断りしている方が大勢いるんです。
この二点だけは、自治体の方と年金事務所の合っている言い分でした。

だから諦めろということなのです。
法律を笠に着て、考えることを拒否していませんか。
法律だから諦めろ、そんなのおかしいと思いませんか?
確かに、法をどうこうする立場ではない年金事務所や自治体は、そう言わざるをえないでしょう。
しかしそれを理由にするのならば、最初に提出する段階で「初診日証明は法律で決まっているので」と一言言わなければいけないのでは?

私は、年金を払っていたことを本気で無駄だったと思いました。
収入がない私でも、一緒に暮らしている父が一定以上の収入があるという理由で、免除申請すら通りません。
要するに、親の金ででも払え、ということなのに、こちらが困っている時にはそんな理由で蹴るのです。
怒りを通り越して、呆れます。

そんな思いを抱いたまま、年金事務所に赴きました。
最初に対応してくださったのは研修生でした。
そもそも、電話の記録を端末に残しているのだから、私が苦情言う気満々なのは分かるはずです。
そして、私は「年金事務所に来い」と言われたから来たのです。
しかしその研修生は何にも分かっておらず、私の怒りを煽り続けました。
最終的に室長さんが出てきて、色々お話を伺いました。

最終的に再審査請求をしても、追加書類では通らない。
もう一度、再申請して貰った方が早い。
そういうお話でした。
私はお金がないから申請しているのです。
また最低一万五千程度払えというのです。
ふざけるなと思いました。
終わった案件というのならば、再申請しろというならば、診断書を返せという話です。

ラチが明かない、そう思った私は、審査請求をすると共に、再申請の手続き準備を進めました。
ある種の意地だったのかもしれません。
兄妹に借金をし、再申請をしました。

これで落ちたら、もう年金を払うのを止める、という覚悟を持って。

再申請する際、二人以上の第三者証明が必要だということでした。
一人目は、卒業大学を介して知り合った、カウンセリングの先生です。
二人目は、何人かに断られ、最終的に了解の返事をしてくれた友人です。

ここで思ったのは、障害年金というものは浸透していないという事と、障害年金を貰う=駄目なことという思想が定着しているということでした。
断ってきた友人は私のためを思って言ってくれたのですが、「障害者として生きる覚悟があるのか」と問いを投げかけてきました。
私は、あぁ偏見っていうのは、こんな近しい友人にも根付いているのだと一種悟りました。
障害年金を貰うことはそんなに恥ずかしいことでしょうか。

それはさておき。
もう少しだけお付き合いください。
二回目の請求が終わり、今度は通りました。
しかし、障害年金を貰う立場になって思う事は、年金ダイヤルはほぼ役に立たないことです。
一回目の支給がいつになるのか電話をしたら、恐らく証書が届いてから一月ほどです、遡及請求も通っていればその際支払われます。
年金番号で調べることすらしないんですよ……。
確実な情報を求めているのに、恐らくってなんでしょうね。
そして、貰う側になることがあったら、年金を貰っても、自動的に支払う年金は免除にならないので、手続きしないといけないそうです。

最後に。
やはり一人で申請するというのは、とてつもなく労力を使い、精神病の場合、ほぼ悪化します。
なるべくなら、着手金0で成功報酬の専門家の手を借りた方がいいと思います。
因みに一回目の申請と合わせて、通るまで10か月の戦いでした。

駆け足で書いてしまったので、抜けていること等あると思いますが、何かご意見やご質問があれば、コメントで書いて頂けると有り難いです。
心を込めて返信させて頂きます。